
「秋」とは四季のひとつで、立秋(今年は8月7日)から立冬の前日(同11月6日)までをさし
旧暦ではおよそ7月から9月まで、太陽暦では9月から11月までのことをいいます。
【日本の秋】
日本においては、秋の風物は百人一首など和歌の題材となり
秋に静かなもの悲しいイメージを抱いてきました。
その一方で、秋は収穫の季節であり
一年のうちでもっとも過ごしやすい季節でもあることから
秋祭りや運動会など行事も多く大変賑やかな季節でもあります。
「食欲の」「スポーツの」「読書の」「芸術の」など、様々な言葉が冠されます。
■別名
高秋(コウシュウ:空が高く澄みわたる秋)
素秋・白秋(ソシュウ・ハクシュウ:五行思想で秋=金=白だから)
白帝(ハクテイ:秋を掌る神のこと)
金秋(キンシュウ:秋=金)
三秋(サンシュウ:初秋、仲秋、晩秋の三つの秋)
九秋(秋の九十日間=三ヶ月のこと)
秋は春と並んで生物の活動が盛んな季節。
夏の暑さが和らぐことで多くの生き物の活動が始まります。
秋にはキクやハギなど多くの花が咲き
秋の七草は、秋の田園風景に咲く草花を集めたものです。
またコオロギやスズムシなどいわゆる鳴く虫が繁殖期にはいります。
その後産卵して卵が冬を越す。
シカやクマなどの大型ほ乳類の繁殖期も秋。
これらの動物では冬季に妊娠期間を経過し、春に子供が成長します。
秋はまた落葉の季節、実りの季節ですが、これらは植物から見れば
いずれも冬越しの意味があります。実りは動物にとっても重要で
冬を越えるための栄養を蓄える季節。
秋の果実の量は、鹿などの冬の生存率に大きな影響を与えると言われます。
ウマのみでなく、シカもイノシシも肥える時期。
また冬毛に変わることで、毛皮も美しくなります。
■秋の定義
二十四節気に基づく節切りでは立秋から立冬の前日まで
旧暦(太陰暦)による月切りでは七月・八月・九月
新暦(太陽暦)では9月・10月・11月
天文学上は秋分から冬至まで
■行事
▪衣替え
▪運動会(体育大会)
祝日「体育の日」があり、多くの学校で運動会や体育大会が開かれる。
▪文化祭、音楽会、大学祭
▪稲刈り
▪新嘗祭
▪秋祭り
往々にして収穫祭の意味を持ち、村々では米の収穫を感謝して「秋祭り」が行われた。
神輿やだんじりは村の道を巡行する。
▪芋堀り
▪芋煮会
▪紅葉狩り
▪菊人形
▪ヨーロッパでは、ハロウィーン
月が冴え冴えと美しいこの季節。2007年の十五夜は9月25日です。
十五夜は別名「仲秋(中秋:ちゅうしゅう)の名月」ともいいますが
この仲秋とは旧暦の7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋というので(三秋:さんしゅう)
月の美しいこの季節の満月を「仲秋の名月」といって特に愛でたものなのです。
さて「秋」の語源ですが
「黄熟(あかり)」という、稲が成熟する様子を表す言葉がなまってアキとか
「秋空がアキラカ(清明)」であることからアキになったとか言われています。
ついでに、残りの四季の語源も調べてみました。
冬・・「冷(ひ)ゆ」の意。また、寒さが威力を「ふるう」からフユ。
寒さに震える「ふる(震)う」からフユ。
春・・「万物、発(は)る候なれば」からハル。「草木の芽が張(は)る」からハル。
「田畑を墾(は)る」からハル。「気候の晴(は)る」からハル。
夏・・「アツ(暑)・ナル(生)・ネツ(熱)」の字音から。
などの説が有力なところのようです。
月九日は重陽(ちょうよう)の節句で
正月七日(人日:じんじつ)、三月三日(上巳:じょうし)
五月五日(端午:たんご)、七月七日(七夕:たなばた)と並んで五節句の一つに数えられています。
五節句とは年中行事を行う日の中で特に重要とされた日(節日)のことをいい
五節供とも書きます。
九月九日が重要視された理由は
古代中国で最高の数字とされた「九」が2つ重なっているからです。
古代中国ではすべての根源である「太極」(たいきょく)が「陰」と「陽」を生み
陰と陽は互いに盛衰、消長を繰り返していると考えました。
数字の「九」は「陽」が満ちて極まっている状態とされ、最高の数字とされていましたので
最高の「陽」が2つ重なっている九月九日を重陽(ちょうよう)というわけです。
重陽の節句は「菊の節句」とも言われ、菊を鑑賞し
菊の花を浸したお酒を飲んで不老長寿を祈念しました。
栗飯を炊いて祝う風習もあり「栗の節句」とも呼ばれています。
■敬老の日
□敬老の日のいわれ
聖徳太子が現在の大阪市に悲田院(ひでんいん)という
身よりのない老人や病人を収容する救護施設を設立した
と伝えられる日にちなむものです。
現在の敬老の日は1954年(昭和29年)に
「としよりの日」として設けられたのが始まりです。
この呼び方に各界から異議が起こり「老人の日」に。
そして1966年(昭和41年)に現在の「敬老の日」と改められ国民の祝日となったのです。
□還暦になぜ赤いチャンチャンコ?
長寿のお祝いは数え年で61歳(満60歳)になる
還暦からお祝いするのが習わしとなっています。
60歳は人生で5回目の年男、年女になる年。
生まれた干支に還って赤ちゃんに戻るという意味で
赤いチャンチャンコとずきんを送るというのがしきたりでした。
[彼岸] 春分の日、秋分の日をはさんで前後3日ずつ、計7日間
暑さ寒さも彼岸まで‥‥の言葉のように
お彼岸はちょうど春分、秋分の季節に行われます。
気候は暑からず寒からず、昼と夜の時間は同じ
これらは仏さまの教えである「中道(ちゅうどう)を守れ
何事も極端をさけること」に通じます。
彼岸とは、迷いの世界である此(こ)の岸から悟りの世界である彼(か)の岸へ
到るという到彼岸(とうひがん)から名づけられた行事で
彼岸会(ひがんえ)といわれます。
お釈迦さまは自分も他の人もともに幸福になる到彼岸として6つの教えを示されました。
秋 (8月7日〜11月6日)
… 立秋・処暑・白露・秋分・甘露・霜降
[立秋] (りっしゅう) 8月8日〜8月22日
暦の上では秋となるが、残暑はなお厳しい。高原からは秋のたより。
[処暑] (しょしょ) 8月23日〜9月7日
朝夕はいく分かしのぎやすくなり、昼間の短くなったことを感じる。
[白露] (はくろ) 9月8日〜9月22日
朝、草花に白露の宿っているのを見る。台風のシーズンとなる。
[秋分] (しゅうぶん) 9月23日〜10月7日
秋の彼岸。暑さもおさまり、みのりの秋を迎える。
[寒露] (かんろ) 10月8日〜10月22日
山野はすっかり秋らしく、朝晩はさわやかである。
[霜降] (そうこう) 10月23日〜11月6日
北国や高地では霜がおりはじめる。刈り入れの光景がみられる。
[立冬] (りっとう) 11月7日〜11月21日
紅葉する木樹も多くなり、空気が乾いて、空が青く澄む。
[立秋]
初候 涼風至 秋風が始めて立ちはじめる季節
次候 白露降 白い露が降りはじめる季節
末候 寒蝉鳴 暑さをさけて寒蝉(ひぐらし)が鳴きはじめる季節
[処暑]
初候 鷹乃祭鳥 鷹が鳥を捕えて食べる季節
次候 天地始粛 暑さが鎮まる季節
末候 禾乃登 禾(稲)がみのる季節
[白露]
初候 鴻雁来 雁が北から帰ってくる季節
次候 玄鳥帰 玄鳥(つばめ)が南へ帰る季節
末候 群鳥養羞 鳥たちが互いに擯出する季節
[秋分]
初候 雷乃収声 雷や稲光がなくなる季節
次候 蟄虫坏戸 虫が土中にもぐる季節
末候 水始涸 水田の水がなくなる。即ち豊りの季節
[寒露]
初候 鴻雁来賓 雁が再びまいもどってくる季節
次候 雀入大海為蛤 雀が海に入って、蛤になる季節
末候 菊有黄花 菊の花が黄色く、美しく咲く季節
[霜降]
初候 豺祭獣 豺が獣を捕えて食べる季節
次候 草木黄落 霜が降り、草木の葉が黄ばみ落ちる季節
末候 蟄虫咸俯 蟄虫がみんな土の中にかくれて動かなくなる季節

〔 秋の言の葉 〕
■ 秋晴(あきばれ)
空高く晴れ渡った、秋のよい天気。
空気が澄み渡り、天が高くなったように感じられる。
■ 秋深し
秋たけなわのころ。次第に冬に近づく秋を形容したもの。
■ 秋の空
秋のころの変わりやすい天気。異性の移ろいやすい心の意にも用いられる。
■ 鰯雲(いわしぐも)
巻積雲の俗称。秋空に斑点状に広がり、イワシが群れるさまのように見えることからついた名。
■ 馬肥ゆる
秋を迎え、馬の皮下脂肪が冬に備えて厚くなること。
■ 刈田(かりた)
稲を刈り取ったあとの田。刈り株だけが整然と並ぶ光景からは一年の仕事を終えた農家の充実感が感じられ、また寂しくもある。
■ 寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月八日ごろ。露が寒気によって凍る手前の時期で、秋冷が身にしみる日が多くなる。
■ 霧(きり)
大気中の水蒸気が地表面の近くで凝結して、煙のようにかかる現象。春に発生するものは「霞」という。
■ 処暑(しょしょ)
二十四節気の一つで、八月二十三日ごろ。夏の暑さがおさまる時期。「処」には「とまる」の意味がある。
■ 霜降(そうこう)
二十四節気の一つで、十月二十三日ごろ。秋も深まり、朝、しばしば霜が降るなど、冬の到来が近いことを知らせる。
■ 灯火親しむ
さわやかな秋は、灯火の下で読書をするのに適した季節であるということ。
■ 二百十日(にひゃくとおか)
立春から数えて二百十日目のことで、九月一日ころにあたる。台風が来やすい時期に重なることから、農家では厄日として警戒する。
■ 野分(のわき)
「台風」の古称。野の草木を分けて吹き荒れることからいう。
■ 白露(はくろ)
二十四節気の一つで、九月八日ごろ。草木の葉に秋の到来を告げる白露が宿るという意味。実際には、まだ残暑が厳しい。
■ 待宵(まつよい)
陰暦八月十四日の宵のことで、翌日の十五夜の月を待つ夜の意。明日の晴曇が確かでないので、待宵の月を鑑賞する。
■ 山粧う(やまよそおう)
山の木々が紅葉し、化粧をしたように見えるさま。
■ 夜長(よなが)
日が早く落ち、夜が長くなったと感じられること。
■ 立秋(りっしゅう)
二十四節気の一つで、八月七、八日ごろ。暦ではこの日から秋になるが、実際には一年でもっとも暑い時期。
・・・秋の雨・・・
[秋霖・秋雨]
秋に小雨が降りつづくことを言う。
[雨月・雨夜の月](月の見えない日の雨)
[時雨(しぐれ)]
晩秋から初冬にかけて、急に降ったり止んだりする雨のこと。
朝時雨、夕時雨、小夜時雨、木の葉時雨などとも言われている。
■秋に関係する言葉
▪天高く馬肥ゆる秋
▪秋風が吹く
▪秋を吹かす
▪一日三秋
▪一日千秋
▪一刻千秋
▪千秋晩成
▪春秋の争い
▪春秋に富む
▪春秋高し
▪物言えば唇寒し秋の風
▪一葉落ちて天下の秋を知る
▪秋の夜と男の心は七度変わる
▪暑さ寒さも彼岸まで
▪女心と秋の空(関連:「男心と春の空」)
▪秋の日は釣瓶(つるべ)落とし:日がどんどん短くなっていく実感がこもる
▪秋茄子嫁に食わすな;秋サバは嫁に食わすな
「秋ナス-」は身体が冷えるから食べさせるなと言う意味と
うまいものだから嫁に食わせるのはもったいないという意味と二通り伝えられています。
また元来は嫁ではなく夜目でありネズミを指したとの説も。
▪秋の扇
▪秋の鹿は笛に寄る
▪柿が赤らむと医者が青くなる;サンマが出るとあんまが引込む
『四季の言の葉はがき集』
四季の言の葉シリーズの本から選りすぐりの12枚を抜粋したはがき集
日本の四季の移り変わりをやさしい言の葉とともに

『美しい日本語の辞典』
美しい日本語、味わい深い日本語、懐かしい日本語を
「後世に残したい日本語」「自然を友として−雨・風・雲・雪・空の名前」
「擬音語・擬態語」の項目別に集大成する。カラー口絵に「日本の色」















