
◆今に通じる「都市」の知恵
百万都市・江戸は、言葉も習慣も異なる人々が全国から集まった
異文化のるつぼでした。
当然おこるあつれきやトラブルを未然に防ぎ、人々が安心して楽しく暮らせるように
江戸町方のリーダーたちは様々な手立てを工夫しました。
その一つが「江戸しぐさ」です。
目つきや表情、話し方や身のこなしによって、思い(心)を表現する方法です。
代表的なしぐさとして挙げられる「肩引き」とは
人込み、狭い道で人とすれ違うとき、お互いに肩を後ろへ引くこと。
ぶつからないように、相手の行く手を遮らないように
互いの胸と胸をあわせて体を斜めにした格好ですれ違います。
「傘かしげ」は、雨の日のしぐさ。
傘を人のいない方へ傾けてすれ違えば、滴で相手をぬらさずにすみます。
これらは「お初しぐさ」「稚児しぐさ」と言われ、子どものうちに習得するものでした。
◆江戸の賢者の知恵「江戸しぐさ」
「江戸しぐさ」なる言葉を知ったのはごくごく最近のこと。
公共広告機構のCMや駅貼りポスターで初めて目にしました。
「江戸しぐさは、イキを美徳とした江戸っ子が実践していた
都市生活での共通の智恵。
江戸での公共マナ−は都会人ならではの洗練されたしぐさ。
江戸しぐさは東京っ子にもふさわしいしぐさです。
(「公共広告機構ポスタ−」より)」
江戸は、今の千代田・中央・港・新宿・文京・台東・墨田・江東区あたりでした。
その江戸の住民は、約半数が武士、半数が町方と呼ばれる庶民でした。
半数を占める庶民の居住地域は、面積が江戸全域の約15%程度
かなりの過密都市だったようです。
江戸庶民たちは、狭い土地にたくさんの人たちが住み、そのほとんどが商業
つまりサ−ビス業に従事していました。
そこで、人々が他人と共存しながら気持ちよく生活するために
人間関係をうまくコントロ−ルすることが必要になってきました。
そこで生まれたのが「江戸しぐさ」で特に町方のリ−ダ−のモラルとして始まり
この「しぐさ」ができない人は江戸っ子ではないとまで言われたそうです。
なお「しぐさ」は、形や態度を表す「仕草」というより
精神・心を表す「思草」であって
その心が言葉や行動に具体化されたのが「江戸しぐさ」ということになります。
「江戸しぐさ」は、一言で言えば江戸の感性(センス)なのだそうです。
この感性・知恵を語り継いできたのが「江戸の良さを見なおす会」の
故・芝三光先生です。



















「江戸しぐさ」完全理解



