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彩事記・四季暦・暮らし雑学・美し和言葉・心想詩...「月彩的言の葉パレット」


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■■■   色物語 ■■■
Sun.
09.17.2006
irotop


■色の語源
色ということばのなりたち

「色」をたどることはその国の生活文化をたどる事と同じだといわれます。
「色」は色彩そのものとして現象するのではなく、必ず事物をともなってあらわれます。
ですから色の名称も風景や事物に託されることが多く
色の意味を追求すればそれを表現する生活や風習が
そこにあらわれてきます。
日本の「色」をたずねることは、日本人の生活や価値観や
美意識をさぐる重要なてがかりといえるでしょう。

日本語の「色」はもともと色彩の意味がなかったと言われています。
万葉集にもあるように「いろせ」とか「いろね」のように
兄や姉の敬称のように使われたり
「いろも」のように恋するものの呼び名として使われていました。
ひとを敬する、ひとを恋する言葉として使われていました。
それがだんだんと男女の交遊を意味したり
相手の女性の美しさをたたえる言葉となり
さらに美しいものの一般的名称として拡大されその美しさが色鮮やかさにつながって
色彩そのものを指すようになっていったと言われています。
「色恋ざた」のようにどうして「色」と「恋」がくっつくのか納得するところですし
王朝の「色好み」というのもそうした男女の関係に情をつくすことを指していました。

一方、漢字の「色」は
「人のうしろにまた人がおり抱く形で相交わること」を示しているといわれ
上の「ク」は人で、下の「巴」は人がひざまずく姿だと解釈されるようです。
まさに男女の情交を意味しています。
中国では、古くは色彩のことを「采」(さい)といったようです。
「采」は木の実を採取することで、それが「彩」に通じて
色や文様を意味するようになったともいわれています。
「日本書紀」や「古事記」などにでてくる色は
あか、しろ、あお、くろの4つが主なものとされています。
しかし現代人のように色彩感覚があって色名が識別されていたのではなく
「明」「漠」「暗」の光の程度を表していたのではないかといわれています。

i_aka

「あか」は鮮やかで過で明るいと捉えられ太陽に由来すると想像されています。

i_shiro

「しろ」は夜が明けようとする時の「夜が白ける」という明るくなる時の状態をさしていた様です。

i_kuro

「くろ」は「暮れてくる」ことをさしていたと考えられています。

i_ao

「あお」は、明と暗の中間の漠とした感じでとらえていたようです。

古代人の初期の色名はこのように
「あか」「あお」「しろ」「くろ」の4つの名称で区別し
色彩というよりも、明暗の段階を意味していました。

■青・赤・紫
日本の代表的な三つの色について色にまつわる物語

ao

青は、人間の暮らしになじみの深い色です。
見上げる青い空、視線のかなたに広がる紺碧の海、そしてゆるやかに流れる大河の青い水面。
地球上には、青がいつも広がっています。
しかし青を定義することは、またむずかしいことともいわれています。
というのは、青は人々の暮らしになじみやすいだけに
民族や時代によってさまざまなとらえられ方をしてきたからです。

aoclip


●青の語源
「あお」という色には、青、蒼、滄、碧などの漢字があてられます。
「青」は、旧字体で書くと意味がよくわかります。
ao_q

中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「東方の色なり。木、火を生ず。生丹に従ふ。丹青の信、言必ず然り」
とあります。
旧字体の文字は「生」と「丹」から成り立っており「生」は木を象形し
「丹」は朱系の色を示しています。五行説に従えば
「青」は丹つまり赤につながっていることになります。
「滄」は寒い、あるいは涼をあらわすところから
滄海、滄浪のように用いられ、海の色をあらわしています。
「碧」は文字通り石で、青く美しい宝玉をあらわします。
「みどり」あるいは「あおみどり」とも読まれます。

●「青」の持つイメージ
日本人にとって「青」とはどんな色なのでしょう。
Open more...続きを読む
......................

「青空」 
悲しいときも嬉しいときも、人は空を見上げます。
青空はどんな気持ちもだまって受け止めてくれます。
「海」 
日本は島国。深く青い海に囲まれて豊かな恵みをうけてきました。
太陽とともに、私たちの命の源。
ao_umi

「川」 
森と海をつなぐ一本の道。その道の途中で多くの恵みをもたらしてくれます。
しかしいつのまにかかつての清らかなその姿は少なくなりました。
「青花」 
日本の染色文化を影で支えてきた美しくはなかい花。
着物の衰退とともに今では栽培する農家も少なくなりました。
「藍の花」 
藍甕の中に泡がたつことを「藍の花が咲く」と言います。
「染めてもいいよ」という藍からのお知らせ。
ao_hana

「藍染」 
藍染めは世界中で行われていますが、かつて諸外国から日本を訪れた人は
日本の藍を「ジャパン・ブルー」と呼んで賞賛しました。
「瑠璃(るり)」 
玉の色、という意味。特にラピスラズリという石の色です。
さらにその青色にあわせて製造されたガラスをもさします。
「染付(そめつけ)」 
藍と白のコントラストが水墨画のような味わいです。
中国の磁器にならった染付は、今でも私たちの食卓を彩ります。
「群青」 
アズライトという石を砕いて作られる岩絵具で日本画には欠かせない色です。
画家たちはこの青で様々な風景や花を描いてきました。
「水」 
日本の意匠には自然がふんだんに使われています。
水もまた菓子や着物、工芸品などに、ときには静かにときには激しく描かれています。

aoao

青はいつもそばにいます。
見つめ、そして包んでくれる・・・大切にしなければならない色。

●青と藍のはじまり
日本の古代に藍の製法と染色法が中国より伝えられる四、五世紀までは
青は、山から出土する青玉と山藍のような緑濃く染まりつきやすい葉を
摺り染めにしていたものを「青衣」と 称していたといわれています。
そして、藍の色素を含んだ植物の葉で染 める技術は
5世紀の応神天皇から雄略天皇の頃といわれています。
聖徳太子が定めた冠位十二階では、青も位置づけられていました。
この青も、藍染めの衣装でした。
奈良時代に入れば、藍の染色技術は完成され
正倉院の宝物などに見られるように膨大な染織品がつくられました。
また仏教が伝えられるようになると写経の和紙にも染められ
教典の装飾として利用されました。

また平安時代では、王朝人の間で詩歌が詠まれるようになると
詩歌集の装飾された料紙に藍が染められました。
中世の時代になると、藍甕に布を入れて染める
紺掻屋(こうかきや)といわれるものがあらわれ
一般の民衆にも浸透しはじめます。
それが近世になって「紺屋」(こうや)となります。
安土桃山時代には、辻が花という多彩な絞染の小袖や陣羽織が
戦国武将の命で染められましたが
その中にも藍染めによる澄んだ青色が見られます。
江戸時代になれば木綿や麻など植物性の繊維にもよく染まる藍染は
ますます盛んになり、絣、型染、筒描など庶民から将軍大名に至るまで
藍で染めた青は広く愛されました。

●青の言の葉
■青は藍より出でて、藍より青し
弟子が先生よりすぐれていることにいう。中国、戦国時代末の儒家の教え「荀子」にあります。
■青二才、青侍
年若く経験が浅く未熟なことや身分の低いことをさす。
ここでいう青色は日本の古代の青の淡い色をさしていたといわれています。

aka

赤は、生命の色です。
太陽や火という人間にとって欠かすことのできない生命の源を象徴する色。
情熱や生命力をあらわす色ともなっています。
一方、神聖な色であることから、宗教や政治の権威として
古代の神社や寺院の建物の色として使われました。
akaclip


●赤の語源
太陽によって一日がアケル。
そのアケルという言葉が「アカ」になったといわれています。
日本の古代神話の中で、天照大神は天を照らす太陽神です。
太陽は人に光を与え、植物を育む生命の源です。
そう言う意味でいえば「アカ」はまさに神の色、聖なる色といえるでしょう。
中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「南方の色なり。大に従ひ、火に従ふ」とあります

●「赤」の持つイメージ

「手の中の赤」 
手のひらに光をあてると真っ赤に染まって見えます。
私たちの体を流れる血潮の色。
「太陽」 
万物を染める私たちの命の源。昇り、沈む。
毎日繰り返されるあたりまえのドラマに、いにしえの人たちは
感謝の心をわすれませんでした。
aka_taiyo

「夕焼」 
一生のうちに何度か、こんなに美しい赤はあるのかと思う夕日に出会うことがあります。
心を激しく揺さぶられる情景。
「炎」 
立ちのぼる火の動きは見ているものを魅了します。
日本には「火」にまつわる多くの祭りが存在します。
「紅葉」 
枯れていく美しさを教えてくれるもの。
様々な意匠の中に紅葉は存在します。
koyo

「花」 
こんなに小さな命にこんなに力強い色がたくわえられているのかと
季節ごとに驚かされる自然。
「鳥居」 
伏見稲荷大社の鳥居はその数の多さに圧倒されます。
その色と数の多さによって人は何かを感じ取るのでしょうか。
「朱漆」 
漆に朱を混ぜる方法は縄文時代から変わっていません。
日本の菓子や料理は赤い器によく映えます。
「水引」 
赤の持つ意味を結ぶ。
人生の様々なシーンで登場するこの水引に
人はあらゆる思いを託してきました。
aka_mizu

「紅をさす」 
日本の女性は、様々な思いを胸に秘めながら紅をさしてきました。
ときめき、喜び、怒り、悲しみ…。

akaaka

赤はすべての始まり。すべての終わり。

人間が太陽の光りの恵みを受けて「赤」の色についてまず関心を持ちました。
そして次に、暗闇の中で「火」を発見することが、次の「赤」との出会いでした。
火は暗闇から人間を守り、寒さから暖をとってしのいでくれました。
したがって火は太陽とともに人間にとっては神であり清浄なものとして崇められたのです。
さらには、人間の体の中を流れる生命の源である「血」にも「赤」を発見したのでしょう。
このように「陽、火、血」という赤色のものは生きていく根源をなすものであり
人々は生活の中にも赤を取り入れ、あらわしたいと強く感じ
赤によって人々の眼を引きつけようと考えたのです。
土の中から、朱、弁柄などの金属化合物の赤を発見し
茜の根、紅花の花びら、蘇芳(すおう)の木の芯材
そして虫からも赤色を取り出そうとしたのはまさに「陽、火、血」という赤色が
人間にとっての神聖な色であったからにほかなりません。

●赤の言の葉
■朱に交われば赤くなる
人は交わる友によって善悪いずれにもなる。中国の古いことわざ。
■赤心、赤子
赤は祓い清める儀礼の意味があり、すべてを洗い清めることから
純粋な心やまだ純粋な赤ちゃんをさす。

murasaki

紫は、人を魅了し引きつける美しい色です。
初夏を告げる太陽の光のもと、杜若(かきつばた)や花菖蒲が咲き競う中で
自然の中の紫色は人を惑わせるような不可思議な世界へと誘います。
また紫は古代より、洋の東西を問わず、高貴な色とされていました。
日本人だけではなく、遠く地中海を航海する古代フェニキア人も
貝で紫色に染める貝紫染を今から3600年以上の昔に発見していたのです。
muraclip


●紫の語源
「紫」は中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「帛の青赤色なるものなり」とあります。
紫は、青と赤の間色であるということをあらわしています。

●「紫」の持つイメージ

「朝顔」
早朝に露を含んだ朝顔が、窓辺に咲く風情は
日本の夏の清々しい情景のひとつでもあります。
ことに紫の朝顔は優しく匂いたつような美しさを私たちに見せてくれます。
「桔梗」
背筋をまっすぐに伸ばして凛と立つ日本女性の美しさにも似た花です。
秋の七草の「あさがおの花」はこの桔梗のことである
というのが定説になっています。
「紫雲(しうん)」
「やうやう白くなりゆく山ぎはすこし明りて紫だちたる雲のほそくたなびきたる」
空の青と赤が混じるとき、幻想的な風景が現れます。
自然は、いにしえから変わらずに時として
忘れられない風景に出会わせてくれるのです。
mura_shiun

「紫水晶」
アメシストまたはアメジスト。日本でも多く産出されます。
高貴とされる紫色をしていることから日本では数珠としても使われます。
2月の誕生石で、宝石言葉は「平静、高貴、美しい夢」
「二藍(ふたあい)」
紅花の赤と、藍の青を組合わせた紫。
その掛け合わせて出来る色は無限にあり、平安時代の人々にはある意味で流行色でもありました。
「藤」
晩春に、長く垂れ下がる藤は香り高く、高貴な花の代表。
「藤波・藤浪」とは藤の花が風に吹かれて
波のように揺れ動くことを言います。栄華を誇った藤原氏ゆかりの色でもあります。
fuji

「杜若(かきつばた)」
京都の大田神社には天然記念物に指定されている杜若があり
その美しさに訪れる人があとを絶ちません。
平安時代の歌人・在原業平がその気品ある美しさを愛し
「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」と
「かきつばた」の5文字を詠み込み、歌ったと伝えられています。
「粋な紫」
紫は高貴で雅なものだけではありません。
江戸で染めたといわれる「江戸紫」は粋な色。
「紫と男は江戸に限るなり」という川柳があるように
歌舞伎が江戸で人気を博した頃、助六が締める紫の鉢巻の色が
「江戸紫」として定着しました。
iki

「茄子」
普段から食卓に上がるこの野菜は和食には欠かせません。
漬物にすればさらに鮮やかな色を発します。
日本人にとっては懐かしく母の手料理を思い出す色。
「紫陽花」
名前の中に紫の文字がある花。
七変化といわれるほど色が変化することもこの花の特徴です。
日本で生まれたこの花は雨の美しさと恵みを私たちに教えてくれています。
murasaki

高貴な近寄りがたい色、紫。
妖しく、心惑わせる色、紫。
そして・・・憧れの色、紫。

●紫を好む日本
聖徳太子が推古天皇の摂政となって律令制がひかれ
新しい政策打ち出されたなかに冠位十二階の制があります。
個人の能力や功績に応じて冠位をあたえて
広く人材を登用しようとした制度でした。
その位を十二にして、それぞれの位によって服飾を色分けしました。
これは、隋の制度を見習ったものですがその中で紫は
一番上位に位置づけられました。

こうした制度によるものだけではなく、自然の色としても
万葉集や古今集にも多く歌われ愛されてきました。
平安時代には武蔵野に紫草の栽培園がつくられ
名所となっていたことが知られいます。
また「源氏物語」では光源氏の最愛の人に
名前にも「紫の上」という名前がつけられ
紫を尊ぶ風潮は、とても大きいものがありました。
「枕草子」の「すべてなにも紫なるものはめでたくこそあれ 
花も糸も紙も」という文章はそれを象徴しています。
時代が下って戦国時代になっても武将もまた紫を好んでいたようです。
上杉謙信の衣装にも肩と袖が紫で染められ、紫草を相当な量を使って
染めて織り上げられたものが残されています。
豊臣秀吉や徳川家康の衣装にも紫色の辻が花染が残されています。
また江戸時代になると、歌舞伎にも使われ「助六」の主人公が
頭に巻いた紫の鉢巻き姿あります。
それは「江戸紫」と呼ばれ、京都の赤系の紫に対して
青みがかった紫が粋だったようです。


 「色はことのは」
人はなぜ色に惹きつけられるのか?色彩に秘められた深い意味を探る。
色はことのは

 「日本の色」
あの日摘んだ野の花の色…あの日まとった晴着の色…
あの日眺めた夕焼けの色…日本人の美の心が生んだ彩りの世界。
日本の色

 「万葉の色」
いにしえの美しい歌や句の中に織り込まれた
伝統的な色彩に万葉人の心を偲ぶ…
万葉の色

 「日本の色を染める」
紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。
色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。
日本の色と衣と染の歴史。
日本の色を染める


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