
■色の語源
色ということばのなりたち
「色」をたどることはその国の生活文化をたどる事と同じだといわれます。
「色」は色彩そのものとして現象するのではなく、必ず事物をともなってあらわれます。
ですから色の名称も風景や事物に託されることが多く
色の意味を追求すればそれを表現する生活や風習が
そこにあらわれてきます。
日本の「色」をたずねることは、日本人の生活や価値観や
美意識をさぐる重要なてがかりといえるでしょう。
日本語の「色」はもともと色彩の意味がなかったと言われています。
万葉集にもあるように「いろせ」とか「いろね」のように
兄や姉の敬称のように使われたり
「いろも」のように恋するものの呼び名として使われていました。
ひとを敬する、ひとを恋する言葉として使われていました。
それがだんだんと男女の交遊を意味したり
相手の女性の美しさをたたえる言葉となり
さらに美しいものの一般的名称として拡大されその美しさが色鮮やかさにつながって
色彩そのものを指すようになっていったと言われています。
「色恋ざた」のようにどうして「色」と「恋」がくっつくのか納得するところですし
王朝の「色好み」というのもそうした男女の関係に情をつくすことを指していました。
一方、漢字の「色」は
「人のうしろにまた人がおり抱く形で相交わること」を示しているといわれ
上の「ク」は人で、下の「巴」は人がひざまずく姿だと解釈されるようです。
まさに男女の情交を意味しています。
中国では、古くは色彩のことを「采」(さい)といったようです。
「采」は木の実を採取することで、それが「彩」に通じて
色や文様を意味するようになったともいわれています。
「日本書紀」や「古事記」などにでてくる色は
あか、しろ、あお、くろの4つが主なものとされています。
しかし現代人のように色彩感覚があって色名が識別されていたのではなく
「明」「漠」「暗」の光の程度を表していたのではないかといわれています。

「あか」は鮮やかで過で明るいと捉えられ太陽に由来すると想像されています。

「しろ」は夜が明けようとする時の「夜が白ける」という明るくなる時の状態をさしていた様です。

「くろ」は「暮れてくる」ことをさしていたと考えられています。

「あお」は、明と暗の中間の漠とした感じでとらえていたようです。
古代人の初期の色名はこのように
「あか」「あお」「しろ」「くろ」の4つの名称で区別し
色彩というよりも、明暗の段階を意味していました。
■青・赤・紫
日本の代表的な三つの色について色にまつわる物語

青は、人間の暮らしになじみの深い色です。
見上げる青い空、視線のかなたに広がる紺碧の海、そしてゆるやかに流れる大河の青い水面。
地球上には、青がいつも広がっています。
しかし青を定義することは、またむずかしいことともいわれています。
というのは、青は人々の暮らしになじみやすいだけに
民族や時代によってさまざまなとらえられ方をしてきたからです。

●青の語源
「あお」という色には、青、蒼、滄、碧などの漢字があてられます。
「青」は、旧字体で書くと意味がよくわかります。

中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「東方の色なり。木、火を生ず。生丹に従ふ。丹青の信、言必ず然り」
とあります。
旧字体の文字は「生」と「丹」から成り立っており「生」は木を象形し
「丹」は朱系の色を示しています。五行説に従えば
「青」は丹つまり赤につながっていることになります。
「滄」は寒い、あるいは涼をあらわすところから
滄海、滄浪のように用いられ、海の色をあらわしています。
「碧」は文字通り石で、青く美しい宝玉をあらわします。
「みどり」あるいは「あおみどり」とも読まれます。
●「青」の持つイメージ
日本人にとって「青」とはどんな色なのでしょう。


























「色はことのは」


