
私たちの住む日本列島は、比較的四季がはっきりしているといわれています。
かつて生活のリズムは、自然や季節の移り変わりとともにありました。
そしてその節目には、それぞれの行事(習慣、風習、祭り)儀式がありました。
とかく自然との関わりや季節感の薄れてきたといわれる現在人の生活の中で
すでに忘れ去られたもの、その起源やもともとの意味もわからず今に残されたものなど…
それらのいくつかは暦のなかに見ることができます。
それは私たち日本人の祖先が、農耕民族、海洋民族、山岳民族であった証を
遠い記憶の彼方から、時空を越えかすかに匂ってくる土や、海や
風のにおいと共に現在に伝えてくれているかのようです。

◆長月(ながつき)
九月は、辺りの木々もすっかり色づき紅葉の頃。
空気も澄み切っていますから夕暮れが美しい時季。
しかしあっという間に辺りは暗くなる「秋の陽のつるべ落とし」
語源は諸説あり。
9月は菊の季節であることから菊月、菊間月とも呼ばれますが
新暦の十月上旬から十一月の上旬にあたり
夜がだんだん長くなる「夜長月(よながつき)」の略とする説。
その他、雨が多く降る時季であるため
「長雨月(ながめつき)」から「長月」になったとする説。
「稲刈月(いなかりづき)」「稲熟月(いなあがりつき)」
「穂長月(ほながづき)」の約や、稲を刈り収める時期のため
長月の「長」は稲が毎年実ることを祝う意味からといった説。
「名残月(なこりのつき)」が転じたとする説などがある。
この中でも「夜長月」の略で「長月」になったとする説とする説は
中古より広く信じられている説で最も有力とされています。
■ 季節の言葉
新秋、新涼、初秋、秋の長雨、秋霖、名月、良夜、露の秋、白露
虫の音、野分、寝覚月、中秋名月、台風、秋晴れ
初秋の候 涼秋の候 新秋の候 秋色の候 爽秋の候
秋の夜 涼風の候 秋分の候 秋涼の候 秋冷の候 秋霜の候
新秋のみぎり 秋の七草も咲きそろい など
燈火親しむ好季となり
灯火の下、読書に親しむ秋
黄金色の波ゆらぎ、実りの秋
ひと雨ごとに秋も深まり
残暑去り難く
朝夕日毎に涼しくなり
虫の音もようやく繁くなり
二百十日も無事に過ぎ
初雁の姿に秋を感じる頃
秋色しだいに濃く

春夏秋冬の四季。
この四つの季節を節切りして、24に割り振ったのが「二十四節気」です。
立春や春分、秋分、夏至、冬至など、季節の変わり目によく使います。
これをもっと細かく季節を分けたのが「七十二候」
一年を五日ごとに分けることで自然界の微妙な変化を感じ取れる暦です。
二十四節気と同じように、それぞれの季節にふさわしい名を付けて
時候の移り変りを表しています。
◆ 日々の暮らし「旬」カレンダー 九月 ◆
詩、動物や植物、旬の食べ物…季節の喜び。

さすような夏の日差しも少しずつ和らぎをみせ始めます。
秋の恵みの収穫を目前に控えた、初秋の涼しい風が吹き渡る
そんな季節の到来を意味しています。
今年も残り4ケ月あまり。充実した気持ちで年末を迎えるためには
この処暑からの過ごし方が鍵を握ると言っても過言ではありません。
収穫に向かう季節、つまり人も内面における
2006年の収穫を迎えることを意味しているのです。
古来より世界中の人々が生活の基盤として利用しともに生きてきた“暦”
農耕文化である日本人は季節の移り変わりを
とても敏感に知ることを非常に重要視していました。
「この時期は種を蒔くのに適している」とか「この時期は雪が降りはじめる」とか
今までの経験を暦の中に照らし合せていったのです。
そんな移り変わりを事細かに分けたのが二十四節気。
そしてその根本になるのは、“太陽の動き”なのです。
太陽は見かけ上、天球を1年で1周します。
このときに太陽が移動していく通り道を天球上にあらわしたものを
黄道(こうどう、おうどう)といいます。
この黄道を24等分して、それぞれに名前を付けました。
それらを二十四節気と呼びます。
その約15日間を交互に節気(せっき)と中気(ちゅうき)として
季節の移ろいの目安にしたのです。
8月23日は処暑(9月7日まで)です。処暑は二十四節気の1つ。
立秋から15日目で太陽の黄経が150度の時をいいます。
処暑の「処」の字には「とまる」とか「とどまる」という意味があります。
そろそろ涼風が吹き始める気配がし、暑さもなんとなくおきまる頃。
綿の花が咲き、稲が実りはじめ収穫も間近といった時期で
江戸時代の【暦便覧】という本には
「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」と記されています。
なお処暑は二十四節気をさらに細分化して季節感を表した「七十二候」では
「初候」「二候」「三候」に分けられます。
現代では一般に「北日本」「中部日本」「西日本」に分けて説明され
北日本ではそれぞれ「ススキ出穂」「秋植球根植付」「豚分娩」の頃。
中部日本では「台風季節入り」「ハギ開花始め」「ススキ出穂」。
西日本では「台風季節人り」「秋野莱播種」「果樹芽接」の頃をいうのだそうです。
・・・とはいっても、これはあくまで暦の上のこと。
実際に農道を見渡せば、相変わらずの草いきれ。
稲穂田に実るこの時期、農家では、肥施用、病害虫防除
あぜ草刈りといった作業が中心に行われます。
寒地では混ざり穂の抜き作業、暖地では早生稲の種採り、収獲です。
また、秋そばの種まき、ダイズ、アズキ、夏そば、トウモロコシ
ゴマなどの収穫などもこの頃。
また台風の季節でもあるので、稲田の台風対策にも気を抜けません。
「処は上声、止なり、暑気の止息するなり」
暑さが止む、暑さが収まる頃、の意味で
昼間はまだ暑い日が続くが、朝夕は涼風が吹きわたる初秋のころ。
旧暦7月申の月の中気です。
涼風が吹きわたる初秋の頃で、暑さもようやくおさまり
朝夕は初秋の気配が漂い始めいく分かしのぎやすく
昼間の短くなったことを感じる。
綿の花が開き、穀物が実り始め、収穫の候も目前となる。
昔から、この頃は※二百十日と並び台風襲来の特異日とされており
暴風雨に見舞われることが少なくありません。
※雑節の「二百十日(にひゃくとおか)」
立春から数えて 210日目(今年は 9月1日)のことですが
ちょうど稲の開花時期に相当するので昔から農家では
台風による被害を警戒しました。
古来より日本ではこの頃、暴風雨が多発してきた歴史があるようです。
いわゆる台風の季節。
江戸時代の暦編纂係がこの「二百十日目めに注意せよ」と
漁師らに伝えたとも言われています。
ただ実際には、もう一つの雑節「二百二十日(にひゃくはつか)」前後の方が
大きな台風被害が多いようです。
今年は長かった梅雨の影響で、各地で水による災害が起きました。
同じ土地で再び、台風の被害がないことを祈るばかりです。

暦的には涼しくなり始めてもいいはずですが
相変わらずの暑さは続いています。
この二十四節気には情緒があるものの、元来太陰太陽暦(旧暦)に基づいたものですから
現代の実際の季節とはずれがあってピンとこないところもあります。
この「処暑」 にしても、日中は暑さが残るが
朝夕は冷気が加わり涼風が吹き、秋を感じさせるということですが
あまり実感できない時もありますね。
そもそも、南北に長い日本では、北と南ではかなり様相が違うので
何処が基準となっているのでしょう?
「立秋」の次に「処暑」というのも何か納得がいかないところがあります。
“処”は、止まっているという意味もあるわけですから
要するにまだ暑いというわけで
爽やかでしのぎやすいイメージのある“秋”の後に
“暑”では、余計分からなくなってしまいます。
熱帯夜の“秋”なんてちょっといただけませんしね…(苦笑)
この時期は夏の空気と秋の空気が日本付近でせめぎ合い
その間には前線ができることが多くなります。
秋の空気が強まって前線が南に下がる時は秋らしい気配が漂いますが
夏の空気が強まるときはまた残暑が厳しくなります。
前線の位置が少し変わるだけで気温の変動が大きくなります。
この時期を過ぎてもなお暑くなることを「秋暑」というそうです。
半袖か、長袖か、服装選びに迷う時期ですが
上手に調節をして体調を崩さないようにしてください。
初候] 鷹乃祭鳥 鷹が鳥を捕えて食べる季節
次候] 天地始粛 暑さが鎮まる季節
末候] 禾乃登 禾(稲)がみのる季節
「処暑」は暑さが止むという意味で
朝夕次第に冷気が加わってくる時季。
半月ほど前に「立秋」を迎えましたが、まだまだ暑さが残っています。
しかしそれもやがておさまり吹く風にも涼しさが加わってくることでしょう。
「旧暦と暮らす」スローライフの知恵ごよみ。
先人が二十四節気のうち更に七十二候に分けた季節を感じたい。
そしてめくるめく日本の季節を愛でながら生きようと思わせる一冊
「季語を味わう」 日本語の中でも長い歴史の時間をかけて
磨かれつつ存続してきたのが「季語」
作者の知名度に拘わらず季語が活かされている俳句を選び
鑑賞から作句の秘訣までを解説。
「つきづきの彩り」旧暦二十四節気に見る日本の美しい風景。
立春、雨水、啓蟄などの旧暦二十四節気に季節を区切り
それに相応しい季語などを添えた写真集。

「えこよみ」 二十四節気や七十二候を通じて四季の移ろいや身近な自然を感じる絵本。
古くから伝わる季節の言葉と美しいイラストに新暦のカレンダー。

「夏バテ解消法」
夏の暑さにはからきし弱くて…という方のために
快適に夏を過ごす秘策と、冷房病対策などについて。
■夏バテってそもそも何?
夏バテとは、高温多湿な日本の夏に身体がなんとか対応しようとして
しきれなかった結果「だるくて疲れやすい、食欲がない」といった症状が起こる
いわば夏の身体の不調の総称です。
つまり極論を言ってしまえば「夏のカラダの不調は全部夏バテ」
といっているようなものなのです。
■夏バテの原因
「夏のカラダの不調が夏バテ」ですから当然夏ばての原因は一つではないのです。
伝統的な夏バテの原因は、暑さからくる食欲の低下や食事の偏り
大量の発汗、睡眠不足といったものです。
暑いからといって冷たいものをたくさん飲んでしまうと胃液が薄まり
消化機能が低下して食欲が落ちるといった悪循環も指摘されています。
■今の夏バテと昔の夏バテの違い
最近の夏バテ原因は昔ながらの
「暑さによる食欲低下」といったものだけではないのです。
むしろ、今の夏ばてに大きく寄与していると考えられるのが「冷房」。
つまり、冷房の効いた室内と熱い外との温度差に身体がうまく対処できず
カラダが混乱して自律神経失調状態になること。
これが現在の夏ばて対策を一番難しくしていると考えられるのです。



















今日は何の日? 平成十八年 九月 長月 











